2025.07.14
第5回 紅谷先生が教える ~職業と便通異常~ ②

皆様こんにちは、松島病院 紅谷です。
今回は、前回に引き続き当院の職業別便通事情についてお話しします。
まずは、前回のおさらいです。
以前、病院スタッフ全員に排便に関するアンケートを行ったところ、
便通異常(便秘、下痢など)があると答えたのは全体の35%でした。
日本人の3人に1人は便秘で悩んでいると言われているので、妥当な数字と言えます。
さらに職種別でみると、当院における看護師の便通異常率はなんと59%!
以前の回(紅谷先生が教える女性の便秘について。)
(リンク:https://www.matsushima-hp.or.jp/oshiriai/2025/06/post-20.html)
で書いた通り、女性は男性に比べて若い頃から便秘傾向なので、若い女性が多くを占める看護師の便通異常率は必然的に高くなります。
加えて、看護師はとにかく忙しい。
どうしても、業務の特性上、自分のタイミングでトイレに行きたい時に行けません。
看護師さんの便通異常は職業病と言えるかもしれません。
看護師以外にも、便通異常や肛門疾患になりやすい職業は多いように思います。
よく診るのは、夜勤の職業の方の便秘。
食事や睡眠のタイミングがバラバラで、自律神経が乱れることが原因と考えられます。
運転手さんのいぼ痔もよく診ます。
※画像はイメージです。
座りっぱなしの仕事は肛門の血流が悪くなるのでいぼ痔の方が多いですね。
他には、夜のお仕事でお酒を飲まなければいけない方のコントロール不良な下痢。
下痢が続いてひどい切れ痔になってしまう方もたびたびいらっしゃいます。
仕事が関わっていると生活習慣を変えるのは難しいですが、
それでもやれることはいろいろあるので、悩んだときはぜひお気軽に受診してください。
今回は以上となります。
紅谷 鮎美