その他の肛門病・いろいろ|痔 肛門病 女性専門・女医 松島ランドマーククリニック
9割は、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう
残りの1割はいろいろです。
26 その他の肛門病・いろいろ
さて、「痔核(いぼ痔)」、「裂肛(切れ痔)」、「痔ろう」という肛門三大疾患ここまでで、肛門科に受診する方の9割は網羅されるわけなんですけれども・・・。
では、残り1割にはどんな病気があるのかと言いますと、まず、社会の高齢化に伴って増えているのが「直腸脱」という病気です。痔核は別名「脱肛」とも言いまして、肛門が脱出すると書きますが、直腸脱は、肛門から、直腸粘膜および直腸壁全層が脱出する病気です。ひどいものでは、直腸が反転して直腸壁全層が10~20cm以上も肛門から飛び出すこともあります。なぜ飛び出すのかといえば、脆弱(ぜいじゃく)な骨盤底と直腸の固定の異常が原因であり、出産・便秘・永年の排便時のいきみが誘因になることが多いようです。
骨盤底は妊娠・出産のいきみなどで弱くなり、そこに永年の便秘と、肛門括約筋力の低下という要素が加わると脱出してくることが多いため、高齢の女性に多くみられます。このため、高齢化社会において増えてきているのではないかと考えられていますが、小児や成人でもみられます。
治療は、脱出する腸があまりに長ければ、お腹をあけて腸をを本来ある場所(お腹の中)に留め付けてやる、という手術を行うこともありますが、高齢者が多いので、お腹を開けるのにはリスクが高いこともあり、多くは脱出してくる直腸を縫い縮めて肛門の奥に入れ、脱出しないように肛門を締め上げるという、お腹を開けない手術が選択されます。
もちろん、手術と同時に、排便指導も必要ですね。強くいきんで、もしくは長時間かけて排便する習慣がついている患者さんが多いので、生活指導や緩下剤などで排便状態を改善しないと、また脱出することもありますから。

あと、骨盤底筋群は、直腸だけではなく、子宮や膀胱も支えています。ですから、直腸脱以外にも実は、「子宮脱」や「膀胱脱」という病気もあるんですね。
一つ支えることで、他のところも一緒に支えられる場合もありますが、逆のパターンもあります。一つを支えると他のところが出てくるとかです。子宮脱や膀胱脱も珍しい病気ではありませんから、恥ずかしがらずに婦人科で相談して欲しいと思いますね。
予防としてはやはり、便秘や排便障害を放っておかないことですねいきみは骨盤底への最大の負担ですから。
あと、「骨盤底体操」というのが推奨されています。
膣・肛門を上に引き上げるように締める。締めたら、出来る限り10秒以上そのままキープする10秒休んでこれを繰り返す、というものですね。
尿漏れ(尿失禁)、便漏れ(便失禁)にも効果が期待されますので、お悩みの方にぜひ教えてあげて下さい。


