新着情報

2014/05/12

痔ろう(痔瘻)【痔ってなんだろう?】

痔ろう(痔瘻)の症状と特徴

痔瘻の原因は、細菌で、主に大腸菌によるものです。ところが、この大腸菌は、特別な菌ではなく、常に肛門を通過しているのです。ではなぜ、痔瘻が発生するのでしょうか。
肛門の入口から3~4センチほどのところに、歯状線というのがあります。これが皮膚と粘膜の境目になっていまして、これより肛門までは、表面が皮膚に覆われている部分です。一方、この奥の方の直腸側のところは粘膜に覆われています。
歯状線には、「肛門小窩」という穴がいくつか袋状に開いています。これは皮膚の汗腺と同じようなもので、もともとは、直腸内に粘液を出して、排便がスムースにいくようにするための器官でした。現在では、そういう機能は退化して、尾てい骨のように、ほとんど役に立ってはいません。それが、肛門腺につながっているのですが、何らかの拍子に、その肛門小窩を通って大腸菌が肛門腺に入り込んでしまうと、菌に感染して膿がたまってゆき、肛門の周辺が腫れて激しい痛みをともなうようになります。
これを「肛門周囲膿瘍」といいますが、ここまでくると膿を出さなければなりません。自然に表面が破れて、出てくる場合もありますが、切開して出してやる(切開排膿)こともあります。膿が出た後は、細菌の入口(原発ロ)の肛門小窩と、膿の排出口をつなぐトンネルが残ることがあります。これが痔瘻なのです。この入口は、一度炎症を起こすと、次の細菌が入りやすくなりますから、再び肛門周囲膿瘍をつくったり、トンネル=痔瘻が広がっていくこともあります。
また、痔瘻は、大腸菌だけではなく、まれにクローン病や潰瘍性大腸炎などの大腸の病気によって起こることもあり、大腸検査が必要になる場合もあります。

 

痔ろう(痔瘻)の治療方法

保存的治療が可能な痔核や裂肛と違って、痔瘻は手術するしかないといわれています。これは一面では事実ですが、しかし、そうともいいきれない場合があります。一度膿を出してしまうと、痔瘻がはっきりわからなくなる場合や、痔瘻が存在しても、数十年の間なんともないという人もいます。ですから、痔瘻の場合でも、手術をするかどうかは、ある程度期間をおいて、経過観察後に行なうものも少なくありません。
もちろん、医者はその判断の材料を与えなければなりません。例えば、再度腫れると同じような痛い思いをする可能性があること、痔瘻の深さ、炎症の強さなど、現状や起こり得る状態をきちんと説明して、患者さんと、手術の可否、手術する場合の程度などを決めていかなければなりません。痔瘻を手術する場合は、まず感染の入口を除去して、トンネルも取れるものはできるだけ取るようにします。昔は、痔瘻の手術は、程度にかかわりなく、肛門の括約筋をすべて切り開いてしまうものでした。その結果、肛門の機能不全は避けられなかったのですが、1954年にネッセルロッドが、痔瘻の原因が肛門腺の感染であることを明らかにして、それ以降、アイゼンハマーらの外科医により、括約筋を温存した手術が考案されていきました。
また、痔瘻に限らず、現在では、いかに病巣を取り除くかではなく、いかに肛門の機能を失わずに、術後も生活に支障のないよう手術をするか、機能温存に焦点が移っていますし、技術の進歩で、そうしたことが可能になりましたので、安心していただきたいと思います。ただ、ごく稀なケースで、よほど症状がひどい場合やガン化(痔瘻ガン)したときは、やむを得ず人工肛門をつける場合もあります。

 

痔ろう(痔瘻)の予防

痔瘻は細菌感染で、その原因の主なものは大腸菌ですが、大腸菌は糞便中に誰もがもっているもので、これをなくすことはできませんから、予防は難しい。
よく「酒を飲んで痔になった」という話を聞きます。また、痔瘻とお酒の関係が云々されることもあります。しかし、お酒そのものは、痔を引き起こす因子ではないと思われます。「酒は百薬の長」といわれ、少量であれば健康に良いとされていますが、お酒が好きな人は健康のために飲んでいるわけではないでしょう。
つまり、たくさんの酒を飲むのが身体に良くないということです。酒をたくさん飲むのは、どういう状況だろうかと想像してみると、やはり、夜遅くまで飲んでいるということが多いのではないでしょうか。酒を飲んでいるときは意気軒昂ですが、深夜まで痛飲すると、翌日、寝不足で疲れがたまります。すると、どうなるか。これは医学的な裏付けをとっていないので、仮説ですが、深酒の結果、痔を引き起こしやすくなるのは、免疫力の低下によるのではないか、と考えています。実際、患者さんの話で、仕事が忙しくて、ストレスが溜まっていて、酒を飲んだら肛門の周りが腫れてきた……というようなケースが、かなりあるのです。大腸菌が感染して引き起こされるのが痔瘻ですが、私は、実は、感染自体はいつも起こっている現象なのではないかと考えています。
しかし、健康な状態であれば、免疫力があって、感染しても進展させないようにしている、あるいは、感染そのものを未然に防いでいる、そういう免疫力のバランスが働いて、痔瘻には至らない。ところが、いくつかの条件がそろって、免疫力が低下して、感染を押し返す復原力がないとき、バランスが破れて、痔瘻になるのではないか、というように考えています。要は、生活習慣を健全なものにして健康な状態を維持するということが基本です。

 

その他の記事

『痔の種類』は こちら

『いぼ痔(痔核)』は こちら

『切れ痔(裂肛)』は こちら

『痔ろう(痔瘻)』は こちら

『痔の痛さについて』は こちら

『痔の手術は痛いか?』は こちら

『市販薬について』は こちら

新着情報一覧へ

医療法人 恵仁会病院グループ

女性専門完全予約制 松島ランドマーククリニック 肛門疾患専門のクリニックです。松島クリニック 大腸内視鏡検査 大腸癌の早期発見都内にお住いの方はこちら 松島クリニック汐留

医療法人松島病院大腸肛門病センター